TikTokでライブコマースを始めよう!

1:そもそもライブコマースとは

ライブコマースとは、ライブ配信とEC(電子商取引)を融合した販売手法で、リアルタイムで商品を紹介しながら視聴者がコメントで質問し、その場で購入を完了できるのが最大の特徴です。従来の一方通行型通販と異なり、「双方向性」によって視聴者の疑問や不安をタイムリーに解消できることから、安心感を持って購買につながるケースが増えています。日本ではまだ発展途上ですが、アパレルやコスメを中心に認知が拡大中。Instagram や YouTube でのライブ販売と比べ、TikTok の参入は短尺動画トレンドと相まって、企業の広報に新たな「参加型購買体験」として注目を集めています。

1-2:ライブコマースの仕組み

ライブコマースは、ライブ配信とEC機能が一体化したシステム構造を持っています。配信者(企業担当者やタレント、インフルエンサーなど)がライブ動画で商品を紹介し、視聴者はコメント欄から質問を投稿できます。配信者はその場で応答し、商品の詳細や実演を交えて魅力を伝えます。さらに、ライブ中に購入リンクやカート機能が連動しており、視聴者は配信画面から離れずにそのまま購入まで進めることが可能です。このような「ワンストップ導線」によって、配信から購入までの体験が途切れず、一体感のある購買体験を提供します。


1-3:ライブコマースのメリットとデメリット

メリット

  • 商品の魅力を動画で豊かに伝えられる(質感・用途・動きなど)
  • 視聴者とのリアルタイムの双方向コミュニケーションが可能
  • 視聴から購入までがスムーズな導線により、購入率向上が期待できる
  • 視聴者の「生の声」をマーケティングデータとして活用できる
  • スマホ1つで低コストにスタートでき、リスクが比較的小さい

デメリット

  • 視聴者を集める事前集客が必要で難易度が高い
  • 配信の質や配信者の力量により効果が大きく左右される
  • 通信障害や不適切コメントなど、配信中のトラブルリスクがある
  • 時間制限があるため、参加できない視聴者には届きにくい
  • 毎回の企画・準備にコストと手間がかかる

1-4:ライブコマースとその他の販売方法との違い

ライブコマースECサイトテレビショッピング
購入方法ライブ画面内でそのまま購入可サイトにアクセスして購入テレビを見て電話やFAXで購入
コミュニケーションリアルタイムで双方向選択式(レビューやチャット以外は非同期)一方向(視聴者はリアルタイム反応不可)
消費者の疑問解決スピード即時応答でその場で解消問い合わせフォームやFAQで間接的対応電話対応だが配信中は回答困難
限定感や特別感時間限定セールやプレゼントなど演出しやすいタイムセールはあるが演出力は限定的限定品や特価商品、演出あり

1-4:ライブコマースの国内市場はまだまだ成長途中!

近年、日本でもライブコマースの認知度は急速に高まっています。実際に購入経験がある人は急増しており現時点ではまだ伸びしろがあります。参照データによると、10代から60代どれも約半数が購入経験があるという結果に。未体験の人にもすでに体験済みの人にもアプローチできるコンテンツが必要となります。

出典:NTTコム リサーチ「『ライブコマース』に関する調査」(2023年2月28日発表)

2:TikTokShopのローンチを受けて起きるライブコマース革命!

2024年に本格展開されたTikTok Shopは、ライブコマースの概念を大きく進化させました。最大の特徴は「発見から購入までをワンストップで完結できる」点です。従来のSNSでは、視聴者が気になった商品を外部サイトに移動して購入する必要がありましたが、TikTok Shopでは動画やライブ配信内で紹介された商品を、そのままアプリ内で決済・購入することが可能です。この導線のシームレス化によって、離脱率を最小限に抑え、衝動買いや直感的な購買行動を後押しできるようになりました。また、TikTokのアルゴリズムによるレコメンド機能と組み合わさることで、まだその商品を知らなかった層にまで自然にリーチできることも魅力です。広報担当者にとっては「商品の認知」から「購買」まで一気通貫で効果を測定できるため、広告投資対効果の算出もしやすく、今後のマーケティング戦略において欠かせない存在になっていくでしょう。

3:これからのライブコマースに求められるもの

3-1:求められるのは「演出力」

ライブコマースは、発信者や企業が増えて競争が激化していく中で、単に商品を映して説明するだけでは視聴者の心をつかむことはできません。重要になるのは「演出力」です。視聴者は数秒で配信をスワイプする習慣があるため、最初の印象で引き込む仕掛け、そして最後まで見続けてもらうストーリー構成が不可欠です。

ここで参考になるのが、日本のテレビショッピングの成功事例です。特に「ジャパネットたかた」が実践してきた演出は、ライブコマースにも応用できる要素が多くあります。例えば:

  • 臨場感ある実演:実際に使う場面を映し、商品価値を直感的に理解させる
  • 生活者目線の説明:専門用語を避け、日常生活に直結するメリットで語る
  • 限定感の演出:「今だけ」「本日限り」といった購買を後押しする訴求
  • 繰り返しのコールトゥアクション:放送中に複数回購入を促す流れ

これらはすべて「演出によって購買意欲を高める技法」です。つまり、ライブ配信を単なる宣伝ではなく「番組」として成立させる工夫が、これからのライブコマース成功に直結すると言えるでしょう。


3-2:ライブコマーサーと言われる実演販売士

演出が整ったとしても、最終的に視聴者を購買へと導くのは「出演者の力量」です。ライブコマースの世界では、実演販売に長けた出演者を「ライブコマーサー」と呼ぶこともあります。彼らは単なる配信者ではなく、購買心理を理解し、巧みに視聴者の心を動かすスキルを持っています。

具体的には、

  • 話すテンポ:早すぎず遅すぎず、視聴者を飽きさせないリズム感
  • 親しみやすさ:フレンドリーで信頼できる雰囲気をつくる
  • お得感の煽り方:「今買うべき理由」を自然に盛り込み、購買意欲を刺激する
  • 声のトーン:抑揚をつけることで感情を乗せ、熱量を伝える

こうしたスキルは、ただ商品を説明するだけでは生まれません。まさに「実演販売士」としての技法を身につけた出演者がいるかどうかで、ライブコマースの成果は大きく変わります。企業がライブコマースに取り組む際には、配信内容の企画・演出とあわせて、出演者のキャスティングや育成に注力することが成功の分かれ目になるでしょう。

4:まとめ

ライブコマースは、単なる販売チャネルではなく「顧客とリアルタイムでつながる新しいコミュニケーションの場」として広がりつつあります。特にTikTok Shopの登場により、商品の発見から購入までをワンストップで実現できるようになったことで、そのポテンシャルは飛躍的に高まりました。しかし、今後市場が成熟していくにつれ、ただ参加するだけでは成果は出ません。重要なのは「どう見せるか」「どう体験を提供するか」という演出面の工夫です。テレビショッピングのノウハウに学びつつ、自社のブランドらしいストーリーや購買体験を組み込むことで、視聴者をファンに変え、売上に直結させることができます。広報担当者にとっては、TikTokを単なるSNSとして捉えるのではなく、戦略的な販促の舞台として位置づけることが、これからのマーケティング成功のカギとなるでしょう。

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