映像テロップの世界♪
TV 番組や YouTube で映し出される文字やイラストなどの総称で、 TV 業界などでは「スーパーインポーズ」などと呼ばれる事もあります。SNS や Web 広告の GIF 等でも見かけるようになりました。
本来伝えたい情報をより正確に伝えるために使われ始め、日本の TV 業界で独自に進化し、華やかなでインパクトのあるテロップ、そして矢継ぎ早に入るアニメーションテロップなど、様々なスタイルが開発されました。
テロップは視覚的な情報伝達手段として非常に効果的であり、適切に使用されることで視聴者の理解を深め、情報の整理と強調を行うことができます。
今回は、そんな映像テロップの世界を紹介します!
1:テロップの概要と役割
テロップは、テレビや映像制作において画面上にテキスト情報を表示する手法です。テロップは一般的に画面の上部や下部に短い文章をスクロールさせる形で配置され、視聴者に迅速に情報を伝える役割を果たします。その特徴的なスタイルと目立つデザインにより、情報を引き立たせ、重要な点を視覚的に強調する効果があります。時代とともにテロップも変化し、その作成方法も進化しました。今やパソコンで簡単に作ることが出来ます。しかし簡単が故にデザイン力がより問われることがあります。
2:テロップの種類と具体的な使い分け方
《ニューステロップ》
ニュースのテロップは、テレビニュースやオンラインニュースの動画で、画面下部や上部などに流れる文字情報のことを指します。主な役割は以下の通りです:
ニュースの見出し: ニュースの主要な情報やタイトルを表示し、視聴者に内容を伝えます。例えば、「地震発生」「政治イベントの開催」「天候予報」などがテロップで表示されます。
追加情報の提供: ニュース映像と一緒に追加の情報を提供する役割があります。例えば、インタビューの簡単な要約や、イベントの日時や場所、関連する統計データなどがテロップで表示されます。
速報: 緊急の情報や速報がある場合には、テレビニュースでは赤や黄色などの目立つ色のテロップで速報を表示することがあります。
字幕: 聴覚に障害のある視聴者や、外国語を話す人に対して、ニュースの内容をテキストで伝えるために使用されることもあります。
ティッカー表示: 画面下部に流すことで、追加情報や最新ニュースを提供します。
ニュースのテロップは、視聴者に情報を迅速に伝えるための重要な手段であり、テレビやオンラインニュースの視聴体験を補完する役割を果たしています。
《スポーツテロップ》
試合のスコアや成績: スポーツ中継では、試合のスコアや選手の得点、イニングやクォーターの情報などがテロップで表示されます。これにより、視聴者はリアルタイムで試合の進行状況を把握することができます。
選手情報: スポーツ中継では、出場選手や交代選手の名前や背番号、ポジションなどがテロップで表示されます。また、選手の統計情報や記録なども表示されることがあります。
タイムスタンプ: イベントやプレーが起こった時刻や残り時間など、時間に関する情報がテロップで表示されます。これにより、視聴者は試合の時間経過を把握することができます。
追加情報の提供: スポーツ中継やスポーツニュース番組では、試合のハイライトや注目すべきプレー、特定の選手のコメントなどの追加情報がテロップで提供されることがあります。
《天気予報テロップ》
天気予報の情報提供: 天気予報テロップは、その日の天気や気温、降水確率、風速、湿度などの情報を視聴者に提供します。視聴者は、テロップを見ることで今後数時間や数日間の天気予報を知ることができます。
注意喚起: 台風や豪雨などの天候の異常や警報が発令された場合には、視聴者に対して注意を喚起する役割も果たします。例えば、「大雨警報発令中」といった情報がテロップで表示されることがあります。
天気情報の地域別表示: 視聴者が自分の地域の天気情報を把握しやすいように、地域別の情報が表示されることがあります。地域ごとに天気予報が表示される場合もあります。
予報の更新: 天気予報は常に変化するため、テロップでは予報の更新情報が定期的に表示されることがあります。これにより、視聴者は最新の天気情報を得ることができます。
気温と降水確率: 今後の天気予報や気温、降水確率を示して視聴者に天候情報を伝えます。
地図上のアイコン: 地図に天気アイコンを配置して、地域別の天気を示します。
《テレビショッピングのテロップ》
フォントとカラー: イベントの雰囲気に合わせたフォントやカラーで告知を魅力的にします。
簡潔な表現: 限られたスペースで要点を伝えるため、シンプルな表現を心がけます。
理解しやすさ:インフォマーシャルのテロップは、放送後に電話をしてもらうことが目的のため商品の良さをきちんと時間内に簡潔に伝える必要があります。そのため派手なテロップをたくさん並べてしまうと視聴者が追いつかず理解されないまま放送が終わってしまうので、必要な場所に必要な分だけのテロップを乗せていきます。
《特集・ドキュメンタリーテロップ》
デザインとフォント: 特集のテーマに合わせたデザインとフォントを選んで内容を引き立てます。
クレジット表示: 制作スタッフや出典情報を表示し、信頼性を高めます。
シンプルな表示:ドキュメンタリーは、テロップの数が少ないこともたくさんあります。映像と音声だけで展開します。それにより、リアリティが生まれ取材時の緊張感や空気感を伝えることができます。
《バラエティー番組のテロップ》
笑いの効果: コメディ番組でユーモアを際立たせるため、ジョークやポイントをテロップで表示します。
人物紹介: ゲストの名前や肩書きを表示して、視聴者に紹介します。
【PICK UP】特に知りたいYouTubeテロップ
《字幕としての利用》
異なる言語を話す視聴者にもコンテンツを提供するため、多言語字幕を追加します。これにより、国際的な視聴者にアクセス可能なコンテンツを提供します。
また字幕を使用することで、聴覚障害者もコンテンツを理解できるようになります。音声情報をテキストとして提供することで、バリアフリーな視聴体験を提供します。
《強調や補足》
動画内で特定のポイントを強調するためにテロップを使用します。視聴者の注意を引くために、重要な情報をテロップで表示します。
また動画内の内容を補足説明する際にもテロップを活用します。難解な用語や専門用語を分かりやすく解説するために役立ちます。
《情報提供とアクション促進》
URLやリンクを表示し動画内で紹介したウェブサイトや関連リンクをテロップで表示し、視聴者にアクションを促します。チャンネルのソーシャルメディアアカウントを紹介するために、テロップを使用してアイコンやIDを表示します。
3:テロップデザインのポイント
テロップのデザインは、視聴者に情報を伝える上で非常に重要な要素です。視認性や一貫性を保ちつつ、情報をわかりやすく提示する必要があります。
《視認性の確保》
フォントの選択: 視認性の高いフォントを選ぶことが大切です。過度に装飾的なフォントよりも、シンプルで読みやすいフォントが好まれます。
フォントサイズ: テレビや画面の大きさに合わせて、適切なフォントサイズを選びましょう。小さすぎず大きすぎず、見やすいサイズを考慮します。
カラーコントラスト: テロップと背景のカラーコントラストを確保することで、文字がはっきりと浮き出て視認しやすくなります。
《テキストの適切な表示時間》
読み込み時間: テキストが表示されてから理解されるまでの時間を考慮し、テキストの表示時間を調整します。テキストが急いで読めないような表示時間は避けます。
テキスト量と表示速度の調整: 多すぎるテキストを短時間で表示すると読み取りにくくなるため、テキスト量と表示速度のバランスを取ります。
4:YouTubeとテレビ番組のテロップの違い
YouTubeとテレビ番組は、それぞれ異なるプラットフォームで視聴されるため、テロップの使い方にも微妙な違いが存在します。
《コミュニケーションスタイルの違い》
YouTube: YouTubeは個人やクリエイターが自分自身やコンテンツを表現する場として利用されることが多いです。そのため、テロップは直接視聴者とのコミュニケーション手段として活用されることがあります。個人的な表現や感情を伝えるために、フォントやスタイルが多様でカスタマイズされることが一般的です。
テレビ番組: テレビ番組は一般的に広く多くの人々に向けて放送されるため、テロップは主に情報提供や分かりやすさを重視します。一般的で明瞭なフォントやスタイルが好まれ、情報の伝達が中心となります
《表示時間とテキスト量》
YouTube: YouTubeでは視聴者がコンテンツを好きな時間に視聴できるため、テキストの表示時間や量は比較的柔軟です。情報を詳しく説明するために長めのテロップが使用されることもあります。
テレビ番組: テレビ番組では限られた時間内に多くの情報を伝える必要があるため、テロップの表示時間やテキスト量は短くまとめられることが一般的です。要点を簡潔に伝えることが求められます。
《スクリーンサイズとフォーマット》
YouTube: 視聴者は様々なデバイスでYouTubeコンテンツを視聴するため、スクリーンサイズやデバイスに合わせたフォーマットが重要です。テロップのサイズや位置は、小さなスクリーンでも読みやすいように配慮されることがあります。
テレビ番組: テレビのスクリーンに表示されるテロップは、大画面での視聴を前提に考えられます。そのため、テキストの大きさや配置は遠くからでも読みやすいように設計されます。
5:まとめ
テロップは私たちの視聴体験を豊かにし、情報を効果的に伝える強力なツールです。適切な使い分けとデザインの選択によって、視聴者に深い印象を与え、情報の伝達を最大限に引き出すことができます。
ニュースや天気予報などの要約情報を提供する「情報提供テロップ」から、重要なポイントを強調する「強調テロップ」、映像の内容や背景を補足する「説明テロップ」、緊急のお知らせやイベント告知を行う「連絡テロップ」まで、さまざまな種類が存在します。それぞれのテロップは、コンテンツの性質や視聴者のニーズに合わせて選ばれ、視聴者との関係性を深化させます。
さらに、YouTubeのコンテンツやテレビ番組におけるテロップの使い方には微妙な違いがあります。個人的な表現や感情を重視するYouTubeコンテンツから、一般的な情報伝達に特化したテレビ番組まで、プラットフォームごとに最適なスタイルを選ぶことが求められます。
テロップの使い分けと種類の理解は、コンテンツ制作において欠かせないスキルです。情報の整理、視聴者の関心喚起、アクセス可能性の向上など、テロップの力を最大限に引き出してコンテンツを充実させましょう。視覚と言葉が交わる場面で、テロップは私たちの視点を導き、情報を新たな次元で楽しむ手助けとなることでしょう。
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